正しい、あるいは一見正しく見える前提から、受け入れがたい結論が導き出されてしまう逆説(パラドックス)を厳選し解説した2巻組。原著者は経済学者にして作家、マジシャン、優れたピアニスト、作曲家、映画のエグゼクティブ・プロデューサーなど、多彩な横顔の持ち主であり、「パラドックスは人を迷わす不思議な手品のようなもの」であると共に、「論理を正しく展開し、見かけ上の矛盾を明らかにすれば、どのようなパラドックスも解決する」と提唱。数学、論理学、哲学、社会科学、物理学など、さまざまな分野の逆説問題を出題し、理解を助ける背景の提示と共に、一つずつ丁寧に解説する。『Part1 数理編』は無限、確率、社会、論理の逆説問題を、『Part2 物理編』は論理、幾何、計算、物理の逆説問題をそれぞれ収録。著者の案内に沿って、興味のおもむくままに思いを巡らせてマインドの思い込みや常識をゆるめてみれば、今までと違った景色が見えるはずである。/2022年1月初版。384ページ(Part1)、312ページ(Part2)。

著者マット・クック
監訳石川剛郎(北海道大学 大学院理学研究科教授)
訳者大光明宜孝
分野論理学・現象学/自然哲学・宇宙論・時間論