義勇兵としてウクライナ入りした元イギリス軍人シャリーフ・アミンが、前線の様子や戦地で暮らす人々を生々しく綴った手記の邦訳版。父親がイラク人、母親がイギリス人という特異な出自ゆえに、原著者のシャリーフは少年時代に人種差別を味わい、アイデンティティに悩みを抱えていた。シャリーフは、2001年の9.11同時多発テロをきっかけにイギリス陸軍へ志願入隊。そして、9年にわたりアフガニスタンに駐屯するが心身の不調を理由に除隊する。やがて、2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が発生。ボロディミル・ゼレンスキー大統領が外国人義勇兵の募集を世界に呼びかけたのを知ると、2022年3月にウクライナへ入国。現地で支援物資の輸送や民兵の訓練などに従事した後、2022年10月に最前線の偵察に任じられた際に重傷を負い、イギリスで治療を受けるため一時帰国。原書『Freedom at All Costs: A British veteran’s experiences of the war in Ukraine』はその一時帰国中に綴った手記で、ウクライナ軍の義勇兵の手記が邦訳出版されるのは、おそらく日本初の試みである。2024年9月初版/270ページ。
著者 | シャリーフ・アミン |
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訳者 | 神原里枝 |
分野 | 戦争関連書籍/日記・書簡 |