高級紙『The Times』で王室取材を担当する著者が、膨大なインタビューによる生の証言を含んだ綿密な調査で、ロイヤルファミリーを公私ともに陰で支える廷臣(ていしん)たち、すなわち秘書官、報道官の逸話にスポットを当て、ベールに包まれた王室の真の姿をイギリス現代史とともに鮮やかに活写した大作。若き日のエリザベス、ダイアナの死と息子たち、チャールズの即位への準備、アンドリューのスキャンダル、メーガンの登場と王室離脱――ニュースや歴史として知っている出来事も、その裏で力を振るった「廷臣たち」に注目することで、背景に潜む「力学」を垣間見ながら、よりリアルに理解できるはずである。原書『Courtiers – The Hidden Power Behind the Crown』は2022年9月の初版時にイギリスのAmazonで週間ベストセラー総合1位を獲得し、日本でも『ニューズウィーク日本版』、『フィガロ・ジャポン』、『エル・ジャポン』、『ヴォーグ・ジャパン』など各誌で早くから取り上げられた。本書は、30ページ以上の増補加筆が行われた2023年7月刊行のペーパーバック版を全訳したものに当たる。2024年9月初版/440ページ。
著者 | ヴァレンタイン・ロウ |
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訳者 | 保科京子 |
分野 | 世界史 |