近くて遠い北朝鮮の食文化について、豊富なフルカラー写真と共に掘り下げた書。原著者のキム・ヤンヒは韓国企画財政部の南北経済課で働く公務員で、2005年から北朝鮮を公私ともに幾度も訪問。その一方で、大学時代に食品学、大学院の修士課程で食品工学を専攻し、東国(トングク)大学の北韓学科で北朝鮮の食料問題についての博士号を取得したというユニークな経歴の持ち主でもあり、本書では訪朝時に見聞きしたことや、その時々の社会情勢、北朝鮮の食料事情に関する専門知識などをふんだんに織り交ぜつつ、平壌冷麺をはじめとする北朝鮮の郷土料理や、庶民が知恵を絞った独特の料理を紹介。2019年に大ヒットした『愛の不時着』にも登場したカンネンイククス(トウモロコシ温麺)、大同江(テドンガン)ビールなどについても、紙幅を割いて詳述している。北朝鮮ではどんな料理が食べられているのか。愛されているお菓子は? よく飲まれているお酒は? 平壌冷麺だけではない北朝鮮の郷土料理について、歴史だけでなく、未来へ向けてのレシピにも迫る。2024年10月初版/312ページ。
著者 | キム・ヤンヒ |
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訳者 | 金知子 |
分野 | エリアスタディ/クッキング・レシピ |